…ちょっとその前に。
僕は実は前の段落で2つほど、ちょっとしたウソをついた。
1つは「経済成長した」について。
「市民総生産」はたいしたことない。だってブラジルだもん。物価も違うし。金額的にはそれほどでもない。
しかし実質ベースでの経済*1は豊かなもので、雇用が確保され、サステイナブル(持続可能)な社会に向かって進んでいる。
市民の満足度も高いそうだ。1990年代初期の調査によると、ニューヨーク市民の60%がその都市を離れたいと考えているのに対して、クリチバ市民の99%が他のどこにも住みたくないと回答。サンパウロ住人の70%がクリチバの生活のほうがよいと答えている。
この辺はクリチバが抱える今後の課題と重なるので、また最後のほうで書くことにしよう。
もう1つはレルネル市長が若くして大抜擢されたことについてだ。
彼の就任当時のブラジルは軍事政権下にあった。若かった彼は言わば傀儡として、パラナ州知事によって任命されたのだそうだ。能力は期待されず、むしろ余計なことを何もしないことを期待されて着任したわけだ。
しかし彼はやってしまった。彼は市民の信頼を勝ち取り、市民と協力して街づくりに取り組み、成功を積み重ねていった。今やレルネル氏はパラナ州知事という役職に就き、数年後には大統領候補との呼び声も高い。
レルネルは着任早々、政治生命を賭けた勝負手に打って出る。明日はそのあたりから書くことにしよう。
●街へのシステムアプローチ 2●(id:Bonvoyage:20040618)へつづく。
*1:お金以外で測られるモノやサービスの流れをも含めて考えると、ってことね。