2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

クリチバの名を世界に轟かせたバスシステム

そう、そしてクリチバと言えば何と言ってもバスシステムだ。車のためでなくて人のための街づくりには、優れた公共交通システムが必須なのだ。公共交通機関の利用が自家用車の利用に比べて十分に便利なものであれば、街を走る車の台数はぐっと減る。環境にも…

花通りの危機を救った、平和の戦士たち。

反対派が車で乗り込もうと押し寄せていたとき、なんと花通りは子供たちの楽しそうな笑顔で湧きかえっていた。なんとレルネルたちは、歩行者天国を白い紙で覆い、子供たちに水彩絵の具を渡し、自由にお絵描きさせていたのだ! あっはっは。 それを見た反対者…

Break out!

1972年の冬、ある寒い日の夜、金曜日から土曜日の夜にかけて、クリチバ市の中心通り*1に奇妙な出で立ちの集団が現れた。そう、彼らこそクリチバ市の職員。そしてなんと彼らは、電動ドリル〜da da da! とアスファルト舗装を引っぺがし始めたのだ。東へ西…

ゲリラ決行前夜 〜公共事業部部長とのやり取り(半妄想)

レルネル市長(以下「レ」)「これ、やるのにどのくらいかかる?」 公共事業部部長(以下「公」)「5ヶ月はかかります。」 レ「いや、それじゃあ話にならない。そんなに時間はないんだ。」 公「3ヶ月ならどうにかなるかもしれません。」 レ「いやいや、7…

若きレルネル新市長の大博打

レルネルの信念をよく表している言葉がある。 都市は自動車のためにではなく、人間のためにあるべきです。 1960〜70年代当時、世界中のありとあらゆる街が自動車中心の街づくりに邁進していた。レルネルはそれをよく思わなかった。ブラジルの多くの都…

レルネル市長就任以前のクリチバ略歴

1693年 移住者のリーダー、マテウス・レメによって最初の行政単位としての村が設立される。 1812年 牛の輸送路がクリチバを通るようになり、これが人口増加・産業成長のきっかけとなる。 1853年 パラナ州の州都となる。 1934年 世界恐慌の影…

●街へのシステムアプローチ 2●

●街へのシステムアプローチ 1●(id:Bonvoyage:20040617)のつづき。

…ちょっとその前に。

僕は実は前の段落で2つほど、ちょっとしたウソをついた。 1つは「経済成長した」について。「市民総生産」はたいしたことない。だってブラジルだもん。物価も違うし。金額的にはそれほどでもない。しかし実質ベースでの経済*1は豊かなもので、雇用が確保さ…

その街の名は…

驚異的なことに、自家用車に頼らず、先進国の都市に負けないような経済成長をも果たしてしまった街が、ブラジル南部に実在する。ブラジルは決して豊かな国ではない。だがそこに、「第三世界に出現した第一世界をも上回る都市」とも称される街が、確かに存在…

都市システム論へのプロローグ。

2001年11月28日(か27日か29日)、トラブっていた大学教官と言い合いをし、とりあえずの和解にたどり着いて、「よし明日からまた研究に励もう」と気持ちを新たにしつつバイクを運転していた帰宅途中だった。 一時停止箇所で止まったところ、僕は…

オマケ4 「平気」

言葉つながりでもう1ネタ。 前に付き合ってた女性が、「平気」という言葉をよく使っていた。僕が「大丈夫」「問題ない」という言葉を使うところで、彼女はその代わりに「平気」を使う。 例えば電話で映画を見に行こうという話をするとき、「じゃあ、今度の…

オマケ3 短い言い回しほど難しかったり。

id:Ririka:20040614#p2 “No woman, no cry”って、受験生時代には「女がいなければ泣くこともない」と覚えた気がする。姫の父君(王様?)がかつて「女よ、泣くな」と訳したそうで、これはジャマイカ英語独特の言い回しなんだって。「やめろ女よ、泣かないで…

オマケ2 「雅子様、ひきこもりOK!」

id:ueyamakzk:20040615#c にて。ひきこもりにとって千載一遇のチャンス到来か?

オマケ1 なんとあの2人が…

id:seijotcp:20040616で紹介してる坂本龍一インタビュー(http://music.yahoo.co.jp/event/sakamoto/)を見た。なかなかおもろいので、お暇な方はどうぞ。 最新作『CHASM』を買おう買おうと思いつつずるずる買わずにいたのだけれど、インタビューの記事の中…

●ご存知でしたか? 今日は「オマケの日」。●

いやあ、街の話、なかなかまとまりがつきませぬ。資料がほとんど完璧にまとまってる分、どこをどう編集すればいいのか彷徨ってる感じ。 今日の夜中か明日の未明には第一弾を必ずアップするようにします。

●どうすれば「頭のでき」が変わるか?●

街の話は昔読んだ資料を見直さないといけないので明日に引っ張っておく。 せっかくだから今日は、昨日(id:Bonvoyage:20040615)に引き続き内田樹さんからネタをいただいて少しだけ。 彼は昨日の日記(http://blog.tatsuru.com/archives/000169.php)で、こ…

予告編

明日からは「街」のシステムデザインを書きます。この「一旦ばらして再結合」的な考え方を頭の片隅に置いといてもらえると、一層分かりやすく読んでもらえるのではないかと思います(というか、僕の文章を読むときはいつもかな)。 〜 僕が交通事故に遭った…

“articulation”と“articuler”

『寝ながら学べる構造主義』(ISBN:4166602519) 188ページからの引用。 「分節」articulationというのは訳語の難しい術語です。この語は「関節」「区切り」「断片」を意味します。動詞形articulaterは「断片化されたものを結びつける」という意味と、「はっき…

ビッティング 〜二進法的発想法

『寝ながら学べる構造主義』(ISBN:4166602519) 153-154ページからの引用。 「二項対立」の組み合わせをいくつか重ねていくと膨大な量の情報を表現できるのというのは(コンピュータ世代にとってはなじみ深い)二進法の考え方です。情報量の最小単位である一…

●構造主義って、そういう話だったのね。●

週末に、内田樹さんの『寝ながら学べる構造主義』(ISBN:4166602519)を読んだ。「構造主義」という字面からしてシステム論との関係が深そうだと思っていたら、やっぱり。もっと早く読んでおけばよかったなあ、と思った。 特に目に付いたところをまとめ。 ●ま…

id:Ririka:20040607『自由意志と量子力学と』へのコメント。

カウフマンが言ってることというよりは、彼の本を読んで僕が思ったことを、かなり大雑把に書いてみる。量子論的世界観にカウフマンらの自己組織化のシステム論を自分の頭の中でミックスした無責任な妄想を。自由意志については少しだけ。 さて、世界が量子論…

●量子論的世界観、複雑な系での自己組織化、自由意志…●

一昨日までで、とりあえず事務的というか、トラブル事前回避的な書き物を終えたので、モチベーションが上がってきた。 今日のは完全に姫への私信。他の人は読んでもわからないかもしれないけど気にしないでください*1。 *1:と言っても、他の読者の方のご質問…

謝辞

先日来、励ましのコメントをいくつもいただきました。コメントをくださった方々、ありがとうございます。メールもばしばしいただいてます。ほんと、ありがたいです。元気が出ます。多謝。 (終)

明日以降の予告

大学での出来事や「みんな」の話についてはもう十分に書きましたので、明日からは交通事故編。 こちらは都市計画なんかの話も関係してきます。id:sujakuさんはブラジリアの建築について書かれているのですが(id:sujaku:20040609)、私は同じブラジルでも違…

●「日常へのシステム・アプローチ」とは?●

私はこのブログに「日常へのシステム・アプローチ」というタイトルをつけました。 「システム・アプローチ」というのは、「システム理論を用いて物事を考え、取り組む」という意味です。…これだけではわからないですよね。 私は、id:Bonvoyage:20040506でシ…

まとめ

ありがたいコメント、ありがたくないコメントと分けて、少々大袈裟気味に書きました。実際にはそんなに神経質にやっていくつもりはありません。ただし、深刻なマナー違反があると、ブログをやめるか、制限をかけて息苦しい場にするか、というつらい判断をし…

ありがたくないコメント

1.ちゃぶ台返し 『よそんちの客間にあがりこんで、チャブ台をひっくり返すな!』(id:sujaku:20040607#p3) 2.書いている途中での、話の腰を折るようなコメント 文章がまだ完結していない場合、私は(つづく)と書いています。そういうときに話の腰を折…

ありがたいコメント・引用

1.応援のメッセージ 私の書く文章のほとんどは、私自身の実際の経験に基づいています。 楽しい思い出を書くこともあれば、できればそっとしておきたい心の傷を書くこともあります。こんなの書くのは恥ずかしいだろうとか、野暮だろうということをあえて書…

コメント・メール・リンク・引用について。

私の文章に対してコメント・メール・リンク・引用してくださるのは、基本的にはいつもうれしく思います。書いたものに対して他人が反応してくれている、ということ自体、素敵なことだと思っています。 しかしながら、コメントや引用の場合、中にはありがたく…

私の文章は「読者の方に知的負荷をかける」というスタイルになっています。

私の文章は、難しい言葉はほとんど使われていませんが、読者に思考を要求します。「バカには読めない」なんて言いませんが、頭を回転させなければ真意をつかみ損ねることもあります。私がこのような文体を採用している理由は4つあります。 私の表現力の不足…