花通りの危機を救った、平和の戦士たち。


反対派が車で乗り込もうと押し寄せていたとき、なんと花通りは子供たちの楽しそうな笑顔で湧きかえっていた。

なんとレルネルたちは、歩行者天国を白い紙で覆い、子供たちに水彩絵の具を渡し、自由にお絵描きさせていたのだ! あっはっは。


それを見た反対者たちは全身の力が抜け、声を出す気力も失ってしまったことだろう。どんな顔をしたのか見てみたいよなあ。
彼らはすごすごと退却し、反対活動も諦めてしまった。



…ところが1ヶ月も経った頃、商店主たちはある異変に気づく。

「売上が、上がっている?」

これ以来、反対派だった商店主たちも、レルネルの考え・手腕を認めることになる。そして、この歩行者専用道路の活況を見た周囲の商店主は、「こっちも同じようにやってくれ!」と市に要求するようになった。
現在、花通りは6ブロックまで延長され、夜遅くまで人々で賑わうクリチバ市の象徴的な通りになっている*1


また、今でも毎週土曜日には、花通りの危機を救うために「戦った」平和の戦士である子供たちに恩返しするために、道路をキャンバスに絵を描くイベントが開催されているんだそうだ。


(ちなみに、クリチバ市はこの花通りの事業について、同じ「花」の名を冠する大阪万博で表彰されている*2。)


こうしてレルネルは、自らの政治生命を賭けた大博打に成功し、市民の信頼を勝ち取った。そしてここから、見ているだけでも楽しくなってしまうようなアイデアを次々と実現させていくのだった。

*1:今後、もっと延ばすらしい。

*2:にゃにゃ! はてなキーワードによると「大阪万博」と「花の万博」は違うではないか! 前者は1970年、後者は1990年。クリチバが表彰されたのは後者。