Break out!


1972年の冬、ある寒い日の夜、金曜日から土曜日の夜にかけて、クリチバ市の中心通り*1に奇妙な出で立ちの集団が現れた。そう、彼らこそクリチバ市の職員。

そしてなんと彼らは、電動ドリル〜da da da! とアスファルト舗装を引っぺがし始めたのだ。東へ西へブレイクする職員たち。

ある者は自動車通行禁止の標識を立て、またある者は迂回路を指示する看板を立て。引っぺがした後には所々に花壇を設置し、ベンチを置き、それから石畳を敷き、残りをきれいに舗装し直した。彼らは72時間で2ブロック分の作業をやり遂げてしまった。

ブラジル初、いや、ラテンアメリカ初の歩行者天国「花通り」の誕生だった。


ゲリラ作戦をしなければならなかったのは、当時、世界的に歩行者天国の例が少なく、その経済効果が市民に知られていなかったからだ。商店街の店主たちは「自動車が通れなくなったら客足が遠のいて売上が下がるじゃないか!」と猛反発していた。そこで、強硬手段に出たわけだ。


週明け、店に戻ってきた店主たちは、まず呆然としただろう。そして次に、怒る。「これで売上が下がったらどうしてくれるんだ!」
大反対運動が起き、翌週には新しく舗装された歩道に自動車で乗り込む計画が立てられた。


しかし事前にこの情報を手に入れたレルネルは、素早くこれに対応した。

100台のパトカーと1000人の機動隊を出し、反対派を圧力で押し黙らせ、乗り込もうとする車には次々と発砲し、警棒でぼこぼこにした。


…わけではない。

レルネルはここで、クリエイティブかつユーモアに溢れた方法で、反対派の計画に対処したのだった。


車に乗り、徒党を組んで意気揚揚と押し寄せてきた反対派の人たちは、そこでまたもや、あんぐりと口を開けてしまうことになる。

彼らがそこで見た光景とは、一体何だったのだろうか?

*1:そこは商店街にあり、都心でも交通量の多い道路。