若きレルネル新市長の大博打
レルネルの信念をよく表している言葉がある。
都市は自動車のためにではなく、人間のためにあるべきです。
1960〜70年代当時、世界中のありとあらゆる街が自動車中心の街づくりに邁進していた。レルネルはそれをよく思わなかった。ブラジルの多くの都市もそちらへ向かっていた。クリチバも例外ではなかった。
世界中で、都心に通過交通を通らせるような計画をして、都市としての昨日を維持できているものは一つもないのです。都心の道路を交通機能に偏らせると、都心の魅力は激減するのです。これは、私にとっては当然のことです。しかし、市民にとっては、これは理解しにくいことでした。
※服部圭郎著『人間都市クリチバ』(ISBN:4761523395) 44ページより引用
確かに市民は、自動車が便利になったほうがいいと思うだろう。多くの日本人だって、そう思うだろうと思う。これを説明するのは難しい。
そこでレルネルは、自分の考えが正しいことを証明するために、着任早々、政治生命を賭けた強行突破、ゲリラ戦に打って出た!