あなたへの謝辞


当ブログの5/17日の日記(id:Bonvoyage:20040517)を本当にたくさんの方にご覧になっていただき、また共感を持たれたサイト・ブログ運営者の方にはリンクを貼って紹介していただき、心から感謝しています。私としても悩み続けている問題だけに、共感してくれる人がこれだけいるということに驚きつつも勇気付けられています。

図らずも、この問題こそが「私が我慢しておけば済む」ものではなくて、「もし本当にみんなが我慢しているんだったら、システム的な問題があるかもしれないね」という種類の問題であった、ということなのでしょう。そして、これを「解決できたら効果は大きいね」ということも、また言えると思います。

「みんなって、あんたと、あと誰?」といったような問いが有効であるのは、少なくとも「この問いは有効なのではないか」と多くの方が感じてくださったのは、それがいかにも思慮深げな顔をした「オトナ」の意見ではなく、素朴な「子供」の問いであるからだと思います。そして、この子供の問いこそが、システム的で緊急かつ生存に関わる課題に取り組むための突破口であるのです。


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「大人になったら給料を賭けて誰かと競争しなきゃいけないの?」


「年を取ると人間としての価値が下がっちゃうの? だったら僕、大人になるのちょっと嫌だなあ。」


「たけしくんが、僕のほうが1発多く叩いたって言うんだ。僕はたけしくんのほうが1発多いと思って仕返ししたら、もっとたくさん叩かれちゃったんだよ。どうして?」


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バックミンスター・フラーは専門分化を避けるべきだと言いました。専門知識を学ぶことを否定したのではありません。自分の得意分野を持つことは非常に大切なことです。その過程で起こりがちな、子供が本来生まれ持っているはずの全方位的な興味が失われてしまうことについて、これを避けろと言ったのです。
子供は本当に何にでも興味を持ちます。それはその子が生きるためです。これから自分が生きていく世界が一体どういうものなのか、知ろうとしているのです。紙を破いては物体の強度を学び、何かを口に運んではそれが食べられるものかどうかを学び、母親や父親の様子をうかがっては他の人が喜んでくれる振る舞い方を学ぶ。そこには、君は自然科学者なんだから人文科学や世界情勢や芸術や音楽やスポーツや恋愛のことは何も知らなくてよろしい、といった考え方など一切存在しません。フラーは子供こそが「ほんとうのサイエンティスト」であると言いました(「子供の問い」とは、「ほんとうのサイエンティストの問い」とも言い換えられるわけです)。
しかし、もし育つ過程で全方位的な興味が失われてしまうと、人はただ黙々と目の前の仕事をこなすだけの機械か、ただ刺激に対して応答するだけの動物と変わりがなくなってしまいます。それは人類の生存にとって致命的な事態だと、フラーは考えていたようです。
また、機械に成り下がることは、個人として生きる上で危険なことでもあります。機械と化した人間は、いつか本物の機械に淘汰されてしまうかもしれません。技術革新の速い現代では、この「いつか」とはどのくらい先をさすのでしょうか。10年か15年か、くらいかもしれません。機械化は個人の生存においても、クリティカルな問題です。
岡本太郎も、僕は人類の職業分化に反対だ、と言っています。「職業があることは悪いことじゃない。今の社会人はほとんど職業を持って生きているし、社会もそれに支えられている。/ぼくはいままで一度も職業を持つことが、卑しいなどといったことはない。人間が社会で生きていくには、職業を持つことはノーマルなんだから。/しかし、そのために、全人間として生きないで、職業だけにとじこめられてしまうと、結局は社会システムの部品になってしまう。/それがいけない、つまらないことだ。」『自分のなかに毒を持て』(ISBN:4413090101)より。)



「子供の問い」は、私たちの眠らせてしまった全方位的な興味を呼び起こしてくれるものでもあります。
個人としての生存と、それからささやかながら人類の種として生存のために、子供の問いを立てて活用し、システム・アプローチを学ぶ、ということをこれからもやっていきたいと思っています(明日からはシステム論のコアな部分に取り掛かりたいと思っています。ただ今準備中です。お楽しみに! →特にid:sujakuさん)。
もしよろしければ、今後もお付き合いくださるとうれしいです。


多謝。
2004年5月20日   Bon voyage!


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以下、感謝の意をこめて、5/17日の日記(id:Bonvoyage:20040517)をリンクしてくださった方々のサイト・ブログをご紹介いたします。
漏れがありました場合は、申し訳ありませんが、この日のコメント欄にカキコしてください。新規にリンクを貼っていただいた場合も同様に。できるだけこちらにコピペするようにします。


まずは、事の発端となった2つのブログ。

『ネ タ の タ ネ』 id:hizzzさん
http://d.hatena.ne.jp/hizzz/20040516


圏外からのひとこと』 id:essaさん(本家 http://amrita.s14.xrea.com/d/
http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040517


それから、リンクを貼ってくださったみなさん(id:essaさん経由を含みます)。

『Preston Wiki ネタ帳』さん
http://www.preston-net.com/wiki/index.php?%5B%5B%A5%CD%A5%BF%C4%A2%5D%5D


前頭葉は傷みかけ』 汁ヨニさん
http://www.zannenempire.com/diary.cgi?id=funiyoni&n=565
(重要なご指摘が含まれているので、後日取り上げるかも。)


『おれさま手帖 KYOTO-STYLE』さん
http://homepage1.nifty.com/kinseijin/ore/html/200405.html#20040518


『gwaihirのプログラミング日記』 id:gwaihirさん
http://d.hatena.ne.jp/gwaihir/20040519


『sarutoruの日記』 id:sarutoruさん
http://d.hatena.ne.jp/sarutoru/20040519


酔拳の王 だんげの方』 id:dangerous1192さん
http://d.hatena.ne.jp/dangerous1192/20040520#p10


『Alisato's 本買い日誌』 Alisato Akemiさん
http://alisato.parfait.ne.jp/diary/200405b.html#18_t2


『コンビネーションバラエティ』 ZZGさん
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Toys/1753/


『猫飼いSAYAの積ン読日記』
http://sayachan.jugem.cc/?eid=66


『むだづかいにっき』にコメントされた leftyさん
http://blog.goo.ne.jp/simauma_dx/e/b0c1d02921d6739dec46e84a0d454d65


『私たんニュース』さん
http://www.watakushi.info/ (5月20日)


『everything is gone』さん
http://egone.org/ (5月20日)


『*Backtrace*』 高橋カヲルさん
http://triaez.kaisei.org/~kaoru/diary/?20040518#18


『wutseの日記』 id:wutseさん
http://d.hatena.ne.jp/wutse/20040520


『Prof.Kの部屋(Re』さん
http://www47.tok2.com/home/byakko/#20040520


『ばんの家 - 物置』さん
http://ban_mkiv.blogspot.com/2004_05_20_ban_mkiv_archive.html


『FR船団の港』 うくるさん
http://hms-ulysses.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/nicky.cgi (5月20日)


『コロの関心事』 id:B-FACTORYさん
http://d.hatena.ne.jp/B-FACTORY/20040521


『svnseeds’ ghoti!』 id:svnseedsさん
http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20040521#p3
そうなんですよね。その先に希望が見えているときにだけ、「我慢」という言葉ははじめて意味のあるものになる。そして、希望とは、先人が我慢した結果に得た「歓喜」、そしてその歓喜のために自然と外側に染み出してくる「オーラ」ということではないかと思います。少なくとも「師−弟子」という関係においては。
なぜ、歓喜のない状態に向かっていくために我慢したり努力したりしなきゃならんのか。これはまた、ひきこもりのような種類の問題とも関わってくる問いでもありましょう。子供がはやく大人になりたい、と思えないようであれば、ちょっとそういう世の中ってどうなんだろうと思ってしまいます。もちろん子供の側の努力も欠かせないのは言うまでもありませんが。


『Notes. - 世の中を斜めから観るためのページ』さん
http://notes.s51.xrea.com/ (5月21日)


『管理人の戯言』さん
http://fukuoka.cool.ne.jp/ronde/dairy.htm (5月21日)


『takaraism.com』さん
http://www.takaraism.com/cgi/mt/archives/000251.html


『Freezing Point』 id:ueyamakzkさん
http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20040525


『リリカの仮綴じ』 id:Ririkaさん
http://d.hatena.ne.jp/Ririka/20040527


『flapjackのbookmarks』 id:flapjackさん
http://d.hatena.ne.jp/flapjack/20040530


『blog-gold』の大島武史さん
http://www.blog-gold.com/archives/000199.html

賛否両論ありますが、いずれにせよ見過ごしておくことができない、というのが「子供の問い」の力でありましょう。