閉じたシステム・開いたシステム


これは「閉じたシステム」とか「開いたシステム」という話と関係してくる。

「閉じたシステム」というのは、インプットやアウトプットがない(ゼロの)システムのことを言う。逆に「開いたシステム」というのは、インプットやアウトプットがあるシステムのことを言う。実は今までは、開いたシステムのことだけを書いてきたのだった。


この辺の話は少しじっくり書かないといけないと思うのだが、簡単にだけ書くことにする。


閉じたシステムは、エントロピー増大の法則に従って、ある程度の時間が経過すると「平衡状態」と呼ばれる、マクロな意味での変化が見られない状態に至る*1


宇宙に存在するほとんどのシステムは、がばっと開いているわけでもなく、完全に閉じもせず、ほどよく開かれている。そして、外部とのやり取りをしながら自らの自律性・恒常性を保つ。
それは、ろうそくの炎が、常に一定量のろうを取り入れ、ある一定の大きさを保ちながら燃え続けるのに似ている。ろうがなくなれば炎は消えるが、それはインプットがゼロになってシステムが閉じて死んでしまったということだろう。




昨日と今日は、ひどく大雑把ではあるが、システム論の基本的なことを書いた。
身近なところにシステムとフローの考え方を持ち込んで、いろいろと考えてみてほしい。慣れてくると、問題の急所を見抜けるようになったり、新しいアイデアが湧いてきたりし始めると思う。けっこう楽しいよ。


(終)

*1:ミクロに見れば変化があっても、ある変化と他の変化が打ち消しあうような形で、全体としては停止しているように見える。