●「コミュニケーションできません」●

表題は村上龍の『希望の国エクソダス』に出てくる名セリフで、僕はこの言い回しがちょっと好きだ。


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その人が言ったことを単に言い換えただけなのに、あなたの言ってることの意味がわからない、なんて突然言い出す人とは、僕は「コミュニケーションできません」。

私はものわかりが悪いから、って。なんだそれ。てめえが最初に言い出したことじゃねえか。



足元を固めながら丁寧に話を進めようとしている途中で勝手に、君が言いたいのは結局こういうことだろう、とか言って結論に先回りする人とも、僕は「コミュニケーションできません」。

違うっつーの。そんなに簡単に先回りされるような結論を言うために、わざわざ1歩ずつ話を進めたりしませんってば。



この人らは、僕が結論を話すのを聞くのがよっぽど嫌で、僕が結論までいくために1個ずつ積み上げてる足元のレンガを突き崩すのがよっぽど好きみたいだ。そうやって入念に準備しないと他人に伝わるように話せないような結論を聞きたくないのかねえ。

「とりあえず、ここまではOK?(共通の理解を持ったよね?) でさ、こっからが面白い話なんだけど…」っていうのを。


…ま、聞きたくないんだろうな。

それならそれでいいや。僕は口を閉じるだけだ。あはは(あ、開いちゃった)。


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ある1件以来、どうにも腹が立っていられないので、書くまいと思っていたが書くことにした。大多数の関係ない読者の方には申し訳ありません。


何に腹が立つかって、それらの人たちのことを「ああ、この人は結構話が通じる人じゃないかなあ」とか勝手に期待して勝手にがっかりしてる俺自身に一番腹が立つよ。


ああもう(と言って頭をかきむしる)。


全裸で「ファッキュー!!」とか叫びながら仙台の街を走り回りたいくらい腹が立つ。


(終)