2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「モテ」とはどういう現象か?

私はここであらためて「モテ」を定義しよう。 定義:「モテ」は以下のような現象である。 複数の人間からなる系がある。 系から任意の2人を取り出して観察する。ある人(A)が他の人(B)に魅力を感じて惹きつけられているとしよう。それを矢印を使って「…

冷静ではいられなくなる「モテ」というテーマ

モテ論語録 → id:sujaku:20040506 モテ論壇 → id:hotsuma:20040519 どうして多くの人は「モテ」というテーマに対して冷静ではいられないのだろうか。 おそらくは、コミュニケーションへの欲望というか、人は一人では生きられないのだ、ということをどこかで…

●「モテ」を見直す。 〜プリセッション●

id:sujaku:20040518で話題に上がっている「ミクロに見ると代謝、マクロに見ると循環」という言葉について、しかも建築に結びつけながら詳しく書くとなると、もう少し時間がかかりそうなので今日はちょっと違う話題を取り上げることにする。

頭のなかにたまった情報の汚染

フラーは『宇宙船地球号 操縦マニュアル』(ISBN:4480085866)において、以下のように語っている。 人類全体の生存に関わる問題は多くの副次的な問題を生み出して、もはや計画家の特権をもってしても手に負えないものになっている。即刻解決しなければならな…

自己紹介に見られるフラーの思想 〜「世界でもっとも成功した落伍者」

さて、ではフラーの思想の中心的なことを、はじめに書こうと思う。フラーの社会思想は極めてシンプルなものなのだが、一体どこから説明したものかと思案していたところ、フラー自身の自己紹介を教えていただいた(id:sujaku:20040517)。これはいただき。 フ…

ジオデシック・ドーム(通称フラードーム)

建築とアートはid:sujakuさんにおまかせ、と書いてしまったが、フラードームをはずしてはフラーは語れないだろうから、ちょっとだけ。http://www.japandesign.ne.jp/HTM/MATES/08/fuller.html フラードームは、かまくらに次ぐ第2のドーム型建築だと言ってい…

フラーを語る前に

id:sujakuさんとこがアツくてクール。この辺にいるみなさんは、わりとフラーを、断片的であれご存知の方もいるようで、今までほとんど誰も話題を共有できなかった私はうれしくなってしまう。建築・アート方面はid:sujakuさんが書いてくれるだろうから、ひと…

時事ネタ 2 時事ネタ取り扱い注意!!

なんということだ。見逃していた。そういうことだったのか。 http://diary.nttdata.co.jp/diary2004/05/20040516.htmlそう言えば、ワールドカップの頃、村上龍も言ってたっけ。お祭り騒ぎしている間に、誰も気がつかないうちにヤバイ法案が通ってしまって、…

時事ネタ 1 NEET

NEET(ニート)が増えて困るとのたまう人がいる。 私の祖母は、自分は戦後苦労したから、子供や孫には少なくとも衣食住の心配がない生活をさせてやりたいと言っていた。父母は、自分の子供時代は自分の部屋がなくて嫌だったから、自分の子供には自分の部屋を…

追伸:類は友を呼ぶ。

id:sujakuさんがバックミンスター・フラーをキーワードとした「類は友を呼ぶ」現象について述べられた(id:sujaku:20040517)。 にゃはは。おもしろいっすね。 フラーのことは、後日腰を据えて書きたいと思っています。連載というか。「バックミンスターを読…

しかし希望もある。

それにしてもブログってやっぱりおもしろい。自己組織化とはまさにこのようにして進行するのだ、というのが目に見える。「みんなって、あんたと、あと誰?」と問う人や、「もし本当にみんなが我慢しているんだったら、システム的な問題があるかもしれないね…

常識の齟齬

さて、「みんな」という主語が使われる他のケースとして、こんなのもある。 「みんな我慢してやってんねんぞ!」 これも私が実際に何度も突きつけられた言葉だ。要するに、「お前も我慢しろ」ということだろう。 「みんな」が「俺」を意味している場合、「俺…

切断されてしまう私

「私」の代わりに「みんな」という主語を使う、というのは「切断操作」という概念と深く関連しているだろう。私はこの概念を、先日のid:eireneさんの日記で知った(id:eirene:20040507)。既存のコミュニティに属すると、私はいつも切断されてしまう。そのた…

●常識の齟齬 〜私、あなた、そしてみんな。●

id:hizzz:20040516にコメントしたところ、『圏外からのひとこと』のessaさんが取り上げてくださった(http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040517)。<ありがとうございます! インターネット技術にも関連付けられる話なんですね。そういうふうに書けるも…

さいごに。

“外的に判断されてもしかたない”という言い回しにインスピレーションを受けて、今までどうしても言語化できなかった思いが、一気に言語化してきた。私はこのことを2〜3年くらい前から考えるようになった。もしかしたら私以外の人にとっては、ずっと前から…

逆視点 〜タイヤに当たって死んだ子供や私の事故をどう扱うか。

しかしここで、視点を逆にしてみると、別の側面が見えてくる。 先日、タイヤに当たって死んだ子供の母親がTVで「うちの子は何も悪いことをしたわけでもないのに」とかいうようなことを言っていた。他にも(交通事故以外でも)、裁判の手続きを踏んで決めら…

責任の範囲と、損失を償う義務が生じる範囲

たくさんの人がいて、たくさんの人間関係があり、複雑な系として存在している私たちの社会においては、自分の言動の影響が思ったより広範囲に広がるということは、たまにある。例えばこのブログにしても、私が書いたことを読んだあなたの考え方が意識レベル…

リスクと覚悟

「リスク」という言葉はよく使われるが、その概念を正しく知っている人はあまり多くない。 リスクとは「見積もられた不確実性」という意味で、標準偏差に対応する。将来に起こると予測できる出来事の幅が大きいとき、例えば大成功もありうるが大失敗もありう…

9・11、それから交通事故にあって以来、感じ考えていること。

私たちの社会は、車を一つの軸として成り立っていて、私たちは多分にその恩恵をうけている。しかし一方では、人をひき殺したり逆にひき殺されたり、あるいは排気ガスによって花粉症が悪化したり*1するリスクを背負っている。もし選択の自由があってそのリス…

また責任なんて言葉を使ってしまった。

キーワードに登録されている「責任」の定義はおもしろい。全文引用する。 事物・人物、あるいは言動などに対し、それが及ぼす影響・被害など、もっぱらマイナス面での損失があったと仮定される際に、その損失を自分が及ぼしたものと外的に判断されてもしかた…

ジュビロとマリノスの生中継を見ながら。

今、ハーフタイムに入った。 最近のJリーグ中継では、ハーフタイムにも監督にコメントを取るようになった。さっき、NHKのインタビュアーはジュビロの監督に対して、単にコメントを求めただけでなく、「選手交代が早まりそうじゃないですか?」と言った。…

「自己責任」

ばかばかしくて語る気にもならない。 しかし「責任」という言葉には考えるところがある。数日後には書くだろう。

物語

ともかく、イスラム側全体としたら、この事件はある一定の成果を上げた、とは言えないだろうか?「ごめんね。うちの若いもんが先走っちゃってさあ。今やめさせるから。俺らはさあ、向かってくるやつには牙を向くけど、そうでない相手には友好的なんだよ。ほ…

映像

あの映像を初めて見た時、「あ、この3人は殺されることはないな。少なくともバカな政府が余計なことをしない限り。」と感じた。自作自演だ、と思ったわけではないが、日本人への紳士的な態度が見え隠れしていると思ったのだ。 以前、イスラムの状況に詳しい…

●映像と物語という視点からイラク人質事件を見直してみる。●

今日はまったく無責任で適当なことを語る。

で、てめーはどうなんだ。

本当に大事なことだが、「予想外の出来事」というのは、私(=予想する主体)にとって予想外だ、ということなのだ。客観的に見て予想外だ、なんて言葉はありえない(同様に、上に書いた「社会環境」というのも、ある主体にとっての環境である)。この数年、…

物語と、カウフマンの進化の仮説

しかし、ある種の社会環境においては、個人は「今よりも素晴らしい未来が結果的にくる」物語を描きにくくなる。 シナリオは予想外の出来事を飲み込みながら進行していくが、それが適度に起こるのが、シナリオを持って生きる人間にとって望ましい。 予想外の…

僕らが生きる物語 〜うそからでたまこと

うそには、ただのうそと、将来まことになるうそがある。 あなたが何かの商品を売る立場だとする。自分の商品を流行らせたい時、消費者に対してどのような呼びかけが有効だろうか。「○○を流行らせよう!」「○○を買ってください!」と言うだろうか? そんなバ…

時間の概念 〜現在、過去、未来

地域通貨でもおなじみのミヒャエル・エンデは、童話「モモ」(ISBN:4001106876)の中で時間とは何かを語った。 未読の方の楽しみを奪いたくないので詳細は避けるが、エンデの時間概念を踏まえて、私なりに時間というものを考えてみる。 私たちは過去から未来…

ユングの元型

ユングの心理学で元型(アーキタイプ)と呼ばれるものがある。 私はその分野はほぼ素人なので詳しく知りたければその筋の本にあたってほしい、と前置きさせてもらって、ちょっと説明を試みてみる。 ユングによれば、私たちは皆、心の中の無意識と呼ばれる領…